2017年(上半期 1~6月)に開催スタートの注目の展覧会を一挙にご紹介します!



みなさま、新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

あたらしい年のはじめに、アートアジェンダから、今年2017年の上半期、1月から6月までに始まる注目の展覧会をご紹介したいと思います。

第1弾として、主に東京で開催される8つの展覧会をご紹介します。
第2弾の関西版&全国版は、こちらから

ひとつ目は、世界を舞台に活躍する前衛芸術家 草間彌生さんの大規模展覧会「草間彌生 わが永遠の魂」。六本木の国立新美術館にて、2月22日(水)から開催されます。

美術館 情報サイトアートアジェンダ 注目の展覧会 草間彌生 作品 「わが永遠の魂」シリーズより うれいのごとく くれないの 赤きくちびる おしあてて あつきなみだを ながせども あゝ 春はゆく 春はゆく ©YAYOI KUSAMA
「わが永遠の魂」シリーズより うれいのごとく くれないの 赤きくちびる おしあてて
あつきなみだを ながせども あゝ 春はゆく 春はゆく ©YAYOI KUSAMA

美術館 情報サイトアートアジェンダ 注目の展覧会 草間彌生 わが永遠の魂
草間彌生氏
草間彌生さんといえば、黄色や赤や黒など鮮やかに目に飛び込んでくる色彩で、水玉や細胞のような網目などのモチーフが埋め尽くされた独特な表現で、絵画や彫刻、インスタレーションを作り上げる唯一無二な存在の芸術家です。

国立新美術館が、2017年1月に開館10周年を迎えることを記念して開催される展覧会で、草間彌生さんの個展としてはこれまでにない規模感となります。

昨年9月28日に同美術館で開催された「草間彌生 わが永遠の魂」展の記者会見では、草間彌生さんご本人が登壇し、「多くの方々にわたしの芸術が評価されたことでわたしは救われました」「昼も夜も死にもの狂いで(芸術のために)戦っている」などの言葉を紡ぎ出した草間彌生さんの姿はとても印象に残るものでした。

美術館 情報サイトアートアジェンダ 注目の展覧会 草間彌生 わが永遠の魂
国立新美術館の記者会見に登壇された草間彌生氏
「草間彌生 わが永遠の魂」展の主な見どころとしては、2009年から草間彌生さんが精力的に取り組んでいる大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」を中心に据えて、一挙に約130点もの作品が日本初公開となること、そして初期から現在に至る創作活動の全貌が、総合的に紹介されることです。

草間彌生芸術の集大成となる展覧会として、見応えある展覧会となることが期待されます。


2つ目にご紹介する注目の展覧会は、アール・ヌーヴォーを代表する芸術家「ミュシャ展」。同じく開館10周年記念として、国立新美術館にて3月8日(水)から開催です。

美術館 情報サイト アートアジェンダ 《スラヴ叙事詩「原故郷のスラヴ民族」》 1912年 プラハ市立美術館 ©Prague City Gallery
《スラヴ叙事詩「原故郷のスラヴ民族」》 1912年 プラハ市立美術館 ©Prague City Gallery

美術館 情報サイト アートアジェンダ 注目の展覧会 国立新美術館開館10周年 チェコ文化事業 「ミュシャ展」
《ジスモンダ》
1895年 堺市
モラヴィア(現在のチェコ共和国)に生まれ、27歳でパリに渡って活躍した、アール・ヌーヴォーを代表する芸術家の一人、アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)が晩年に手がけた傑作の全貌が、チェコ国外で世界初、一挙に公開される貴重な展覧会です。

ミュシャといえば、女優サラ・ベルナール主演の舞台「ジスモンダ」のポスター制作を急きょ依頼されて描いた作品で注目を浴び、一躍有名になった画家です。

神秘的な美しさで装飾的に女性像が描かれたアールヌーボーの作品が思い浮かばれますが、今回の展覧会の見どころは、晩年に17年間をかけて描かれた、チェコとスラブ民族の歴史から主題を得た壮大な絵画の連作「スラブ叙事詩」が、チェコ国外で世界で初めて、全20点が紹介されることです。

4mから8mにも及ぶ巨大なサイズのカンヴァスに描かれた20点もの圧巻の作品群には、ミュシャの故郷への愛が詰まっています。


3つ目に紹介する注目の展覧会は、「茶の湯」にまつわる2つの注目の展覧会のうちのひとつ、「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」展です。

美術館 情報サイト アートアジェンダ 十五代 吉左衞門 焼貫黒樂茶碗 銘 暘谷 平成元年(1989) 個人蔵
十五代 吉左衞門 焼貫黒樂茶碗 銘 暘谷 平成元年(1989) 個人蔵

美術館 情報サイト アートアジェンダ 初代 長次郎 黒樂茶碗 銘 大黒 重要文化財 桃山時代(十六世紀) 個人蔵
初代 長次郎 黒樂茶碗 銘 大黒
重要文化財 桃山時代(十六世紀) 個人蔵
千利休が愛した、樂家の初代 長次郎の黒樂茶碗「大黒」や本阿弥光悦の赤樂茶碗「乙御前」など、歴代の重要文化財のほとんどが一挙に公開される展覧会です。

一般に焼きものといえば、ろくろで作られ、電気やガス、あるいは薪を用いた窯で焼き上げられますが、「樂焼」の技法は、1点1点手捏ね(手捻り)によって制作されており、初代長次郎にはじまり、現在の15代まで一子相伝で受け継がれてきました。さらに、形ができた段階で、今度は篦(へら)によってそぎ落とすという方法により造形を作るという、極めて彫刻的な手法、造形性に富んでいます。

美術館 情報サイト アートアジェンダ 本阿弥光悦 赤樂茶碗 銘 乙御前 重要文化財 江戸時代(十七世紀) 個人蔵
本阿弥光悦 赤樂茶碗 銘 乙御前
重要文化財 江戸時代(十七世紀) 個人蔵
千利休の「わび」茶の思想に沿って、日本に特有の美を育んできた初代長次郎から十五代吉左衞門にいたる450年の樂焼の芸術が紹介される、かつてない規模で名品が揃う展覧会です。

開催中の京都国立近代美術館に続き、3月14日(火)から東京国立近代美術館にて開催されます。


続いて、「茶の湯」にまつわる2つ目の大規模な展覧会、特別展「茶の湯」展です。
4月11日(火)から東京国立博物館にて開催です。


美術館 情報サイト アートアジェンダ 国宝 油滴天目【中国・建窯 南宋時代・12~13世紀】 大阪市立東洋陶磁美術館蔵
国宝 油滴天目【中国・建窯 南宋時代・12~13世紀】 大阪市立東洋陶磁美術館蔵
足利義政、織田信長、千利休、松平不昧など、歴史を動かした天下の武将や茶人たちが手にした国宝級の名碗が一堂に揃う展覧会です。

昭和55年(1980年)、同館にて開催された「茶の美術」展は、名家秘蔵の茶道具を日本の美術として取り上げた初めての展覧会でした。それから37年の時を経て、新たに現代の眼で日本文化の象徴である「茶の湯」を辿ります。


★こちらの展覧会はご招待チケットプレゼント中です。ご応募はこちらから。★
美術館・博物館情報サイト アートアジェンダ
特別展「茶の湯」
開催美術館:東京国立博物館
https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/865


5つ目に紹介する注目の展覧会は、「ティツィアーノとヴェネツィア派展」。
東京都美術館にて1月21日(土)から開催です。

美術館 情報サイト アートアジェンダ ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《フローラ》、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《フローラ》 1515年頃、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
© Gabinetto Fotografico del Museale Regionali della Toscana


15世紀から16世紀にかけて海洋交易によって飛躍的に繁栄した水の都ヴェネツィアでは、絵画の分野を中心に美術が進展し、ベッリーニ工房やヴィヴァリーニ工房からは、多くの優れた画家たちが輩出されました。

なかでも、自由な筆づかいと豊かな色彩を特徴とする独自の様式を確立したティツィアーノは、ヴェネツィアのみならず、ヨーロッパに影響を与えました。溌剌とした官能性を備えた人物と、輝くような色彩で名をはせたティツィアーノの斬新な油彩画法は、近代絵画の先駆とも評され、ミケランジェロはその才能に嫉妬し、ルーベンスやルノワールも憧れたといわれ、“画家の王者”と呼ばれたそうです。

美術館 情報サイト アートアジェンダ ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《ダナエ》 1544-46年頃、ナポリ、カポディモンテ美術館
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《ダナエ》 1544-46年頃、ナポリ、カポディモンテ美術館
© Museo e Real Bosco di Capodimonte per concessione del Ministero dei beni
e delle attivita culturali e del turismo

ルネサンス時代に、ヴェネツィアを活動の拠点とした芸術家たちは、「ヴェネツィア派」と総称されます。レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロらが活躍していたフィレンツェのルネサンスに比肩して、ベッリーニ、ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレットなど次々と偉大な画家を生み出したヴェネツィアに花開いた芸術が紹介されます。


「『ゆきむら』ではなく『せっそん』です。」、ユニークなコピーが目を引く、
「雪村 奇想の誕生」展。3月28日(火)から、東京藝術大学大学美術館にて開催です。

美術館 情報サイト アートアジェンダ 雪村筆 《呂洞賓図》 重要文化財 奈良・大和文華館蔵
雪村筆 《呂洞賓図》 重要文化財 奈良・大和文華館蔵
【展示期間:3月28日~4月23日】

戦国時代の画僧、雪村周継(せっそんしゅうけい 1504?-1589年頃)は、武将の子として生れながら、出家して画業に専心しました。画聖 雪舟を慕い、革新的で人間味あふれる温かな水墨画を描き続けました。琳派の大成者 尾形光琳が愛し、狩野芳崖、橋本雅邦ら近代画家たちにも、雪村芸術は継承されていきます。

伊藤若冲(1716-1800年)、長沢芦雪(1754-1799年)、歌川国芳(1798-1861年)といった「奇想」「異端」といわれる後世の芸術家らの“はじまり”に、「雪村」を位置づけようと、若冲より200年も前、18世紀に活躍した雪村を今、取り上げます。


「エルミタージュ美術館」から、珠玉の西洋絵画コレクション油彩85点が紹介される「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」。
3月18日(土)から森アーツセンターギャラリーにて開催されます。

美術館 情報サイト アートアジェンダ ぺーテル・パウル・ルーベンスと工房《田園風景》1638-1640年頃
ぺーテル・パウル・ルーベンスと工房《田園風景》1638-1640年頃
©The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18

美術館 情報サイト アートアジェンダ ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像》1538年
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
《羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像》1538年
©The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18
ロシア西部レニングラード州の州都であり、1712年から1914年まで帝政ロシアの都として栄えたサンクトペテルブルクにある「エルミタージュ美術館」から、珠玉の西洋絵画コレクション油彩85点が紹介される「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」が、3月18日(土)から森アーツセンターギャラリーにて開催されます。

歴代皇帝の宮殿からなるエルミタージュ美術館の建物は、100年以上をかけて次々に建設され、現在、サンクトペテルブルクの象徴ともいえる姿になりました。

エルミタージュ美術館が創立された1764年に、エカテリーナ2世(在位1762-1796)が317点の絵画を取得し、美術館の基礎となったコレクションから、歴代皇帝が国家の威信をかけて収集した美術品、個人蒐集家のコレクションまで、現在のエルミタージュ美術館の所蔵品はおよそ310万点。そのうち絵画作品だけでも1万7千点に及びます。

エカテリーナ2世は、親しい人々にこれらの美術品を見せる場所として、そこを“エルミタージュ(フランス語で「隠れ家」の意)”と呼びました。

美術館 情報サイト アートアジェンダ レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《運命を悟るハマン》1660年代前半
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン
《運命を悟るハマン》1660年代前半
©The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18
エルミタージュの1万7千点にも及ぶ絵画コレクションのなかでも、特に充実しているのが、オールドマスターの作品群です。

オールドマスターとは、16世紀ルネサンス時代のティツィアーノ、クラーナハなどから17世紀バロックのレンブラント、ルーベンス、ヴァン・ダイクなどを経て、18世紀ロココのヴァトー、ブーシェなどに至る巨匠たちを指します。

出展作品の油彩85点はすべて、エルミタージュ美術館において常設展示されている、美術館の顔ともいうべき傑作です。所蔵品の中核をなすエルミタージュ美術館のオールドマスターの傑作が勢揃いします。


複製画や3DCG動画により「バベルの塔」の魅力に迫る、ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展が、4月18日(火)より東京都美術館にて開催。
ブリューゲル、ボスなど16世紀ネーデルラント美術の精華を展観。

美術館 情報 アートアジェンダ ピーテル・ブリューゲル1世 バベルの塔 1568年頃
ピーテル・ブリューゲル1世 バベルの塔 1568年頃 油彩、板 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands

美術館 情報サイト アートアジェンダ ルカス・ファン・レイデン ヨセフの衣服を見せるポテパルの妻 1512年頃 油彩、板 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands
ルカス・ファン・レイデン ヨセフの衣服を見せるポテパルの妻
1512年頃 油彩、板 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands
ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展は、副題に「16世紀ネーデルラントの至宝―ボスを超えて―」とあり、ブリューゲルのみならず、彼が手本とした先駆者ヒエロニムス・ボスの油彩2点、そして彼らが生きた時代、16世紀ネーデルラントの絵画、版画、彫刻など約90点の出品作が紹介されます。

ネーデルラント美術とは、現在のベルギーとオランダにまたがる地方において、14世紀末から16世紀末にかけて発展した美術で、「フランドル美術」と呼ばれることもあります。油彩技法がこの地域で確立されたため、板に油彩で描かれた絵画が多く見られます。

美術館 情報 アートアジェンダ アルント・ファン・ズヴォレ(推定) 四大ラテン教父 (聖アウグスティヌス、聖アンブロシウス、聖ヒエロニムス、聖グレゴリウス) 1480年
アルント・ファン・ズヴォレ(推定) 四大ラテン教父
 1480年 オーク材 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands
迫真の写実と輝くような美しい色彩が印象的な油彩絵画、ボスの怪物モチーフが所狭しと描かれる版画作品、そして木彫の粋を尽くした彫刻作品など、16世紀ネーデルラント美術の精華が展観できる展覧会です。

24年ぶりに来日するブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」は、オランダのロッテルダムにある、ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館が所蔵する作品で、細部にわたる緻密でリアルな表現が見どころです。

今回の展覧会では、東京藝術大学COI拠点の特別協力により芸術と科学技術を融合させ、原寸を約300%拡大したブリューゲル「バベルの塔」の複製画が制作・展示されます。また、同拠点は「バベルの塔」の3DCG動画も制作し、多様なメディアを駆使してこの傑作の魅力に迫ります。





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